設立経緯
経緯:
21世紀に入り、国境を越えて行き交う人々の動きは一段と加速され、本格的な国際交流の時代が幕開けした。このような中で、観光が交流促進の決め手として注目されている。世界規模で進行する21世紀の観光は言葉や文化の違いを越え、日常の生活圏を離れて行う様々な余暇活動と定義でき、日本政府は2003年「観光立国」の旗を掲げ、訪日旅行促進事業を本格化させた。2010年に日本を訪れた外国人は約861万人と過去最高を記録している。
国の方針では、観光立国日本の実現には「観光振興≒まちづくり」の理念確立と併せ、行政、事業者、地域住民、NPO、ボランティア等の幅広い連携が不可欠とされるが、現状は狙い通りの展開とはなっていない。例えば2008年に京都府を訪れた外国人観光客の比率は21.8%。この数字は日本の代表的な観光地京都の集客力の大きさを示す実績データと言えるが、府下の観光ボランティアガイド31団体のうち英語で対応可能な団体は7団体、多言語で案内できる団体はわずか1つしかない。いずれも日本人が中心の組織で、社会人が活動の母体を担う。
一方、外国人観光客の動向を見れば、訪日の目的は多種多様で、言葉の問題一つ例に取っても、現状の受け入れ態勢での限界は明らか。「ホスピタリティの心構え」や「もてなしの精神」が声高に叫ばれてはいるものの、外国人の目線に立てば画一的でマニュアル化した説明・サービスが少なくない。都市間競争の激しい「グローバル観光」時代には、多様なニーズにどこまで迅速かつ的確に応えられるか、何より受け入れ対応のクオリティーが問われる。
私たちは、こうした観光の課題解決策として留学生の積極活用を提起してきた。留学生の多くは「母国語」に加え、「日本語」と世界言語の「英語」を話すバイリンガルで、様々なニーズに対応できる高いコミュニケーション能力を持つ。現在、日本国内には14万人を超える留学生が高等教育機関に在籍し、国の「留学生30万人」計画(2020年目標)が達成されれば、概ね2倍の人数の留学生が日本で暮らすことになる。留学生の活用は「言葉の問題」解消→「クールジャパン」アピール→「日本ファン」「リピーター」獲得への布石となり、留学生には「日本」理解を深める「草の根大使」ともいえる役割が期待できる。また、日本の魅力発見や新たな観光振興の企画・提案等、幅広く貢献できると確信する。
留学生の側に立てば、学外で展開するボランティア活動は日本社会を肌で体験、学習できる貴重な場であり、社会実践で得た日本理解はそのまま国と国、市民と市民の間の相互理解促進の一翼を担えるものと考える。一般市民、日本社会との交流は国を越え学んだ知識を「世のため人のため」役立てる活動となり、それは真の国際感覚を身に付けるべくグローバルリーダーとしての志を磨き、留学生自身の成長、飛躍につながる。留学生にとり平和を育む活動と同義語ともいえる観光ボランティアガイドに携わる意義は個人的にも社会的にも極めて大きい。
「文化首都」で知られる「大学のまち」京都にはアジア、欧米ほか世界各国から数多くの留学生が集い、学ぶが、残念なことに現状ではキャンパス内での交遊にとどまり、市民、日本社会との交流、コミュニケーションが十分取れているとは言い難い。私たちは、このような実情に鑑み、2006年に京都で留学生サークルを立ち上げ、以来、歴史都市が数多く集積する関西を主な舞台に観光ボランティア活動に取り組み、地道に国際交流の経験とノウハウを積み重ねてきた。グローバル時代を迎えた今、私たちは観光を媒介にした異文化交流、国際相互理解の必要性をより強く実感し、京都から関西、日本全国、アジア、世界へと活動の輪を広げたいと考え、組織の拡充を図ることにした。
本法人は、観光ボランティアガイドを主体とする草の根レベルの活動を通して、留学生と日本社会の間に円滑な相互協力関係を構築し、将来に渡って世界の平和と繁栄に寄与することを究極の目的とする。目標達成のため、留学生の自主的な活動を支援し、また日本に滞在する外国人及び海外に住み日本に関心を寄せる人たちに向け、日本語と外国語の教育、研修、言語文化の交流、観光情報の発信等にかかわる広範な事業を行う。
21世紀に入り、国境を越えて行き交う人々の動きは一段と加速され、本格的な国際交流の時代が幕開けした。このような中で、観光が交流促進の決め手として注目されている。世界規模で進行する21世紀の観光は言葉や文化の違いを越え、日常の生活圏を離れて行う様々な余暇活動と定義でき、日本政府は2003年「観光立国」の旗を掲げ、訪日旅行促進事業を本格化させた。2010年に日本を訪れた外国人は約861万人と過去最高を記録している。
国の方針では、観光立国日本の実現には「観光振興≒まちづくり」の理念確立と併せ、行政、事業者、地域住民、NPO、ボランティア等の幅広い連携が不可欠とされるが、現状は狙い通りの展開とはなっていない。例えば2008年に京都府を訪れた外国人観光客の比率は21.8%。この数字は日本の代表的な観光地京都の集客力の大きさを示す実績データと言えるが、府下の観光ボランティアガイド31団体のうち英語で対応可能な団体は7団体、多言語で案内できる団体はわずか1つしかない。いずれも日本人が中心の組織で、社会人が活動の母体を担う。
一方、外国人観光客の動向を見れば、訪日の目的は多種多様で、言葉の問題一つ例に取っても、現状の受け入れ態勢での限界は明らか。「ホスピタリティの心構え」や「もてなしの精神」が声高に叫ばれてはいるものの、外国人の目線に立てば画一的でマニュアル化した説明・サービスが少なくない。都市間競争の激しい「グローバル観光」時代には、多様なニーズにどこまで迅速かつ的確に応えられるか、何より受け入れ対応のクオリティーが問われる。
私たちは、こうした観光の課題解決策として留学生の積極活用を提起してきた。留学生の多くは「母国語」に加え、「日本語」と世界言語の「英語」を話すバイリンガルで、様々なニーズに対応できる高いコミュニケーション能力を持つ。現在、日本国内には14万人を超える留学生が高等教育機関に在籍し、国の「留学生30万人」計画(2020年目標)が達成されれば、概ね2倍の人数の留学生が日本で暮らすことになる。留学生の活用は「言葉の問題」解消→「クールジャパン」アピール→「日本ファン」「リピーター」獲得への布石となり、留学生には「日本」理解を深める「草の根大使」ともいえる役割が期待できる。また、日本の魅力発見や新たな観光振興の企画・提案等、幅広く貢献できると確信する。
留学生の側に立てば、学外で展開するボランティア活動は日本社会を肌で体験、学習できる貴重な場であり、社会実践で得た日本理解はそのまま国と国、市民と市民の間の相互理解促進の一翼を担えるものと考える。一般市民、日本社会との交流は国を越え学んだ知識を「世のため人のため」役立てる活動となり、それは真の国際感覚を身に付けるべくグローバルリーダーとしての志を磨き、留学生自身の成長、飛躍につながる。留学生にとり平和を育む活動と同義語ともいえる観光ボランティアガイドに携わる意義は個人的にも社会的にも極めて大きい。
「文化首都」で知られる「大学のまち」京都にはアジア、欧米ほか世界各国から数多くの留学生が集い、学ぶが、残念なことに現状ではキャンパス内での交遊にとどまり、市民、日本社会との交流、コミュニケーションが十分取れているとは言い難い。私たちは、このような実情に鑑み、2006年に京都で留学生サークルを立ち上げ、以来、歴史都市が数多く集積する関西を主な舞台に観光ボランティア活動に取り組み、地道に国際交流の経験とノウハウを積み重ねてきた。グローバル時代を迎えた今、私たちは観光を媒介にした異文化交流、国際相互理解の必要性をより強く実感し、京都から関西、日本全国、アジア、世界へと活動の輪を広げたいと考え、組織の拡充を図ることにした。
本法人は、観光ボランティアガイドを主体とする草の根レベルの活動を通して、留学生と日本社会の間に円滑な相互協力関係を構築し、将来に渡って世界の平和と繁栄に寄与することを究極の目的とする。目標達成のため、留学生の自主的な活動を支援し、また日本に滞在する外国人及び海外に住み日本に関心を寄せる人たちに向け、日本語と外国語の教育、研修、言語文化の交流、観光情報の発信等にかかわる広範な事業を行う。
2012年4月起草